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中小企業が無くなれば景気が良くなる?中小企業淘汰論について

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日本の企業のうち99.7%は中小企業で、7割の人の雇用を支えているのが中小企業ですが、そんな中小企業はいらないという主張があります。これまでは「何を言ってるんだ!!」で終わりだったのが、本も売れているようで一定の支持を得ています。

 

私は中小企業の役員なので、「何だと!!」と思ったのですが、その主張がどのようなものか知ってからでないと批判できないのと、それで実際に中小企業が無くなって体上部なの?と知りたいわけです。

それで日経ビジネスが中小企業不要論の特集をしていましたので、その記事を紹介しつつ中小企業不要論について考えたいと思います。

中小企業が消えていい理由

この日経ビジネスの記事にも先ほどの本の著者であるアトキンソン氏が登場しています。アトキンソン氏は日本が停滞する理由を以下のように述べています。

アトキンソン氏は停滞の原因を「人口の急減少」と「生産性(就業者1人当たりのGDP国内総生産)の低迷」に分解し、とりわけ後者が日本の最重要課題だと指摘する。その上で、国が賃金の引き上げを主導し、GDPのおよそ半分を占める個人消費を刺激することで生産性を向上できる、と訴える。

この浮揚策を実現する上で最大の壁となるのが中小企業、というのがアトキンソン氏の見解だ。

(31頁)

この個人消費の刺激は消費税廃止のれいわ新選組も唱えていますよね。消費税の廃止ではなく、賃金を上昇させることで、個人消費を増やすというわけです。中小企業は賃金も安いので、これが賃上げのネックになるから潰した方がいいというわけです。

日本は中小企業を助けすぎている、本来であれば潰れているはずの中小企業も助けているという話になっています。しかし、どうなんだろうか。自分たちが経営をしていて、手厚い助けを得ているだろうかと思うのですが、そのような制度になっているようです。

といういかもうすでに中小企業はどんどん潰れているんですよね。このままいけば、自然と中小企業の数は減っていくでしょう。帝国データバンクのデータによれば、5社に1社は1年以内に廃業する可能性があります。

これは著者の言ったとおりだ!!と喜んではダメです。企業が潰れるわけですから、その人たちはどこで働けばいいの?となるわけです。みんなが大企業に就職できませんよね。

  1. 消滅する中小企業が生み出している付加価値を、残された企業(大企業中心)でカバーする。
  2. 消滅する中小企業が生み出している雇用を、残された企業(大企業中心)でカバーする。
(33頁)

中小企業がただ消えただけでは失業者が街にあふれるだけですよね。それは景気が悪くなるだけです。それで実際に中小企業が消えた街のことを書かれていました。

中小企業が消えるとどうなるか

ここでは釧路の事例が紹介されていました。釧路には1970年代後半から大型スーパーが進出し、中小の商店は閉店しました。しかし、その後、この大型スーパーが客を呼び込み、逆に商店街は潤います。つまり、先ほどの中小企業淘汰論は正しかったように見えたのです。

しかし、郊外にイオンが進出して状況が変わります。他の大型スーパーが閉店し、商店街だけでイオンと戦うことになったのです。そして街はどんどん衰退しています。こうした事例は釧路だけではありません。

今、「高力ボルト」が手に入りにくくなっているとご存知ですか。このボルトの生産が追い付かずに建設が遅れているところもあります。これはかつては中小企業が担ってきた役割でした。多くの企業が廃業したことにより、こうした事態が起こっています。

もちろん資本主義社会において、つぶれる会社はつぶれるべきでしょう。生き残る可能性が無い企業を生き残らせても仕方がありません。しかしです。現状では潰れなくても良い会社も潰れています。

中小企業の役員としては何ができるのか

日経ビジネスでは中小企業が零細企業にしっかりと支払うために、加工賃を上げた例が紹介されていました。こういうことは確かに大事だと思うんですよね。お金を安くすることだけを考えて、適正価格で取引をするという感覚が無くなっていることもあります。

日経ビジネスで紹介されている企業も、調べてみたらかなり安く取引していることが分かったそうです。結局、そうした取引を続けていると、取引相手は疲弊して、取引ができなくなってしまいます。結果として自分たちも困ってしまうのです。

そうならないためにも強い立場の方が率先して適正価格で取引することが大切だと思います。私たちは零細の方なのでこの例には当てはまらないのですが…。

まとめ

ここまで中小企業淘汰論について紹介してきました。確かにどうしようもない企業もあるのかと思いますが、中小企業が淘汰されれば景気が良くなるという単純なものでもないでしょう。

中小企業の役員としては、「中小企業なんていらない」と言われないように、事業を拡大し、お金を儲け、社会に貢献していきたいと思います。

 

デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

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