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人材流出が止まらない~野村證券に見るその理由とは

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 野村證券がヤバい状況だようです。2018年度決算が10年ぶりに最終赤字に転落することが確実な状況だそうで、人材流出が止まらないのだとか。野村證券には全く縁がないのですが、経営に携わる身としては他山の石としたいところです。まあ規模も何もかも違うのですが、皆さんとも問題を共有ということで。今回は「週刊ダイヤモンド2019年4月27日・5月4日合併号」の記事をまとめる形で紹介します。

そもそも野村證券ってどんな会社?

野村証券は1925年に設立された証券会社です。90年以上の歴史があるので、古い会社であることは間違いないです。ちなみに企業理念は以下のように記されていました。企業理念って立派なことが書かれているんですけど、実態は…。となりますよね。

社会的使命
豊かな社会の創造
金融資本市場を通じて、真に豊かな社会の創造に貢献する
会社のあるべき姿
お客様に選ばれるパートナー
最も信頼できるパートナーとしてお客様に選ばれる金融サービスグループ
わたしたち一人ひとりの価値観
「挑戦」 変化を尊重し、成長への情熱と勇気を持って挑戦を続ける

「協働」 新たな価値を生み出すために、多様性を尊重し、組織や立場を超えて協働する

「誠実」 高い倫理観のもと、正しい行動をとる誠実さと信念を持つ

実際の野村證券は「ノルマ證券」なんて言われている会社で、個別訪問や電話営業をガンガンやってきた会社ですね。そうした会社なので、パワハラなんて当たり前の文化だったようです。またとにかく売ることが重要です。コミッションで稼がないといけないわけですからね。

成績の上がらない課長代理とその奥さんが応接室に呼び出され、上司から厳しく叱責されている姿を目撃したこともあります。その上司は『奥さん、こいつのためにみんなが迷惑しているんです。どうにかしてください!』と怒鳴っていた。本人だけならまだしも、奥さんまで怒られるなんて、本当に気の毒でした。

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「コミッションは株を売り買いしてもらわないと発生しませんから、長く同じ銘柄を持たれると困るんです。私の知る限り、わずか半年も経たないうちに信用取引(保証金を入れ、手持ち資金以上の投資を行うこと)で2~3億円なくなる、などというケースはざらにありました。

損をするとわかっていながら株を勧めるときは、申し訳ない気持ちでした。特に、私たちのようなノルマに苦しむ新米社員に資金を出してくれるのは、いい人が多かった。

そんな人たちが資産を失い、口座を引き揚げるときに、『お前は銀行マンみたいに信頼できると思っていたのに、やっぱりただの証券マンだったな』とすごく悲しそうな顔をするんです。20代前半の私にとっては辛い経験でした」

バブル期の野村證券で「一番稼いだ男」の告白(横尾 宣政) | 現代ビジネス | 講談社(2/4)

こうした猛烈なノルマで収益を上げてきた野村證券ですが、そんな野村證券がなぜ最終赤字に転落するような状況になり、人材流出が続いているのでしょうか。

野村證券で起こった2つの変化

週刊ダイヤモンドの記事では、野村證券に起こった大きな変化として2つ挙げられています。それは働き方改革金融庁の締め付けです。働き方改革についてはいろいろなところでも指摘されているようです。

1.働き方改革

働き方改革なんて最高ではないかと思いますよね。それが野村證券では逆風になっているわけです。確かに猛烈に働くことはできなくなったわけですから、会社にとっては損失になるのかもしれないです。

かつては達成率100%は大前提で、各進展は100%をどれだけ上回れるかで競い合ってきた。しかし今年3月上旬時点で達成率100%を上回った支店はなく、全店平均で7割を下回った(155頁)

まあですね、そもそも数値目標がおかしいというのはあるとは思いますが、これまでのようなやり方ができなくなったのは確かでしょう。こうした状況が社員にとっては良いのか悪いのか。

昔は業績の優劣で支店長が飛ばされていたが、今はパワハラなどの人事的な問題で飛ばされるケースが多い。その結果、社員がノルマ未達でも厳しく追い詰められることがほとんどなくなった。今の野村は早く家に帰れるし、給料も高い。コスパの良い会社ですよ(155頁)

ですよね、こっちの方が働きやすいですよね。会社にとっては逆風だけど働く人にとっては逆風でもない気がするのですが。

2.金融庁の締め付け

野村は回転売買を抑制したものの工夫ができず、金縛り状態に陥っている(156頁)

先ほども書きましたが、野村證券は手数料で儲けてきたわけですね。それに対して金融庁が「顧客本位」を押し出してきた。いや、これ当たり前ですよね。顧客本位当たり前。

営業が強い野村はもともと無理な販売をしていたので、顧客本位への転換の反動が他社よりも大きかった(156頁)

やっぱり顧客のことを考えた営業しないとダメですよね。当たり前ですよね。最初からそうしておかないといけないです。

野村證券を去る人たち

野村證券が苦境に立っているのは分かるのですが、社員の皆さんはなぜ野村を去るのでしょう。先ほども出ていましたけど、働き方改革コスパだけ考えたら働き続けても良いよねと思いますよね。

週刊ダイヤモンドに覆面座談会が掲載されていますが、それをまとめると以下のことが理由になっているようです。

  • 客のためにならないやり方をやらされる
  • 「ストック」型ビジネスで仕事がつまらなくなった
  • ノルマ達成のみの仕事がつまらない
  • 楽をしている人と頑張っている人との待遇が変わらない

仕事にやりがいを感じない人が辞めていっているのでしょうね。つまり、とりあえずお金がもらえればいいやという人が残っているということでしょう。ただこれは社員が悪いわけではなく、会社が悪いんですよね。

野村證券の人材流出から学ぶべきこと

仕事にやりがいを感じなくなったり、面白くなくなったりするのは社員が悪いわけではなく、会社の問題ですよね。決して待遇が悪くないのに人が辞めていくということは、お金以外のものを提供する必要があります。

仕事で自己実現を図りたいという人は実は少数で、そういう人は会社に縛られない働き方を求めるでしょう。会社で働く人はお金をくれるから働くという人が増えてくるはずです。それ自体は何も責められるものではありません。そうした皆さんに仕事に意味を見いだしてもらえるような工夫を経営者がすべきです。

私も中小企業の経営に関わっていますから、野村證券のことを他山の石として、どのような仕事を社員の皆さんに提供できるか、その仕事にどうやって面白みを感じてもらえるか、考えていくべきだなと思います。

まとめ

これまで野村證券でなぜ人材流出が起こっているのか、そこから学ぶべきことは何かについて述べてきましたが、これは野村證券だけの問題ではありません。これまでのように「仕事だからしっかりやるべきだ」という前提では人材が集まりません。特に私たちのような中小企業は難しいです

 

www.gerge0725.work

 さまざな工夫をして人材を集めていく。そしてその中で、仕事に興味を持ってもらう工夫をしていきたいなと思います。

 

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