いつか朝日が昇るまで

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博士号持っているのに自殺をしてしまう理由とは

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博士号取得者の就職が厳しいことは常に言われています。人数が多いというのもあるのですが、学生の人数が少なくなるわけですから、アカデミックのポストそのものが減っているのです。そんな話が多くあります。

今回、以下のような大変悲しい事件がまた起こりました。もちろん自殺者は博士号を取った人に限らずいるわけですが、博士課程に在籍していた人間としては大変心が痛む出来事です。

衣食住は両親が頼り。研究費は非常勤講師やアルバイトでまかなった。研究職に就こうと20以上の大学に応募したが、返事はいつも「貴意に添えず」だった。読まれた形跡のない応募書類が返ってきたこともあった。

 安定した職がないまま、両親は老いていく。14年、苦境から抜け出そうと、ネットで知り合った男性との結婚を決めた。だが同居生活はすぐに破綻。自らを責めて心を病んだ。離婚届を提出したその日に自死した。

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博士課程に在籍しているとこうした事例はよく聞きます。この方のように優秀な方は学振の特別研究員になることができるので、その間は研究に集中できます。しかし、一方で、別の収入源を得る機会は訪れません。

その後、非常勤講師などの職を得ることは可能かもしれませんが、非常勤講師はかなり給料が安いです。おまけに非常勤講師になるためには非常勤講師になったことがなければダメという謎ルールもありますので、講師になるのも難しいという方もいます。

そうした中でだんだんと希望を持てなくなってくる人が増えてきます。ちなみに私の大学院博士課程の同期は一人も専任にはなっていません。でもそこを追求して生きられないよりは最初に引導を渡された方が幸せかもしれません。

 

 

先輩も自ら死を選んだ

私は修士課程の時、よく博士課程卒の先輩といっしょに勉強会をしていました。その先輩は自ら命を絶ちましたが、非常勤講師も首になり、奥さんとも離婚すると決意。さてこれからどうするかと考える間もなく亡くなってしまいました。

詳しくは以下の記事で書いていますが、奥さんと一緒に遺体の処理をした時の悲しさときたら今でも涙が出るくらいです。

 

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職を楽に得られた人たちには本当の辛さは分からない

こうしたなかなか職を得られない辛さは理解されないことも多いです。例えば私の指導教授は海外に留学して帰ってきたら職が決まっていたと言っていました。20代で大学の職を手に入れるわけです。そうした現状では今の博士号を取得して就職活動をしている方の気持ちは分からないだろうなと思います。ちなみにその大学教授は博士号を取っていません。

 

 

収入源は多様化すべき

以下の記事でも書いたのですが、収入源は多様化すべきです。これはフリーランスで生きる人と同じだと考えた方が良いでしょう。使える引き出しは使えるようにしておくこと。私の場合は塾の先生、ライター、教材制作、模試の採点などいろいろと引き受けています。そのため何とかここまで生きながらえてきました。決して生活は楽ではありませんが、「死ぬしかない」というところまでは来ていません。 

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 神戸大学の木村幹先生も同じように考えていて、院生にはそのように指導しているようです。私も全く同感です。先生のところの院生は幸せですね。

 

研究だけがすべてではないのですが、40代まで研究を続けてくると研究がすべてだと思えてしまうんですよね。私は才能なく30代半ばには研究者失格の烙印を押されていましたので、スムーズにビジネスの方へと移行できましたが、まじめで優秀な方ほど他の分野に行くことは難しいと思います。

 

 

あなたのことを理解してくれる人を増やしてほしい

これはとても重要なのですが、研究しているとそれを応援してくれる人を見つけないといけないんですよね。指導教授がそれであればとても良いのですが、そうしたことはあまりないと思います。私はありませんでした。

博士課程の学生を取るということは就職まで考えてあげるべきだと私は思いますが、そうでもない先生方の方が多いのでしょうか。指導教授でなくても同じ研究科の仲間もあなたを理解してくれます。ただ研究分野が違ったり、そもそも大学院を出てしまうとそれほど付き合いもなくなってしまいます。

それでやはり家族って重要だと思うんですよね。辛いときに家族がいるとなんとか踏ん張れます。親はですね、「もう研究はやめなさい」って言います。いい加減就職しろとも言われました。結果的に私は研究はしていないですが、この言葉は結構キツイです。

私はそのころ結婚していたので、妻が応援してくれていました。それにはとても感謝しています。そのため今は仕事を一生懸命している感じです。まだ恩を返せてはいないのですが、研究は納得のいくところまでできたので、後悔はありません。それはとても良かったです。

周りの人はあなたの死をきっと悲しむ

前述したように私の先輩は自ら死を選んだのですが、どうしてそんなことをしたんだと今でも思います。私たちはとても悲しかったぞと。他の先生も泣いていたぞ。付き合いがある大学の先生はわざわざあなたに会いに来ていたぞ。いろいろな思いがありますが、どんな人の死にも悲しむ人は必ずいます。今、職が無くて苦しんでいる博士号取得者の方はそう思ってください。そして塾業界などあなたのスキルを活かせる道はたくさんあります。どうかそう考えて、生き抜いてください。生きていれば研究ができますから。