いつか朝日が昇るまで

子育て、受験~ビジネス、夫婦関係まで日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんのこれからの人生のヒントになればと思います。

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「自分らしさ」を求めない!仕事はできることからやってみよう

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 以下の記事でも触れたのですが、私は仕事に自分の好きなものを選んでいません。正しくは自分の好きなものはお金にならないのですが、仕事としてできることを選択してきました。そのため「自分らしさ」=「仕事」ではありませんが、これまでの人生経験を生かせる仕事ではあります。それを人は「自分らしさ」と言うかもしれません。

 

gerge0725.hatenablog.com

 生きがいを求める人生

 「対立をなくそう」も「自分らしく」も、考え方はもちろん素晴らしいけれど、同時に、対立がなければ自分の存在を感じられない人の存在が炙り出される。自分らしさとは何か、自分とは何かということを自ら考え続けなければならないことによって、新しい地獄みたいなものも生まれる。

それは、外部から決めつけられる痛みとは全く別の、勝手に自分を毒していく痛みというか、自分を内側から腐らせていくような感覚だと思うんです。

 

https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/ryo-asai

これはBuzzFeedNewsに掲載された平成元年生まれの直木賞作家、朝井リョウさんの言葉です。私は平成生まれではないのですが、私たちの子どもの時代にも「個性」なるものが強調されてきました。この「個性」=「自分らしさ」なのですが、それがない自分は本当にダメ人間だと思って生きていた記憶があります。

昔は良かったのです。読んでもいないマルクスの本を持ち、左翼であることがアイデンティティーとして生きることができました。確かに時代の縛りはあったものの、何もない自分のような人間は、世の中の流れに身を任せていれば良かったはずです。就職をして結婚をし、子どもを持ち、やがて引退をする。そうした当たり前の人生が楽なわけです。

それがいつの間にかそれではダメとなってしまい、「自分らしさ」こそ正義となってきたのです。そこで「自分らしさ」を探す長い旅が始まります。若い人たちが自分探しをしてしまう原因もここにあります。人生は選択肢が増えることで決断できるのではなく、逆に決断できなくなるのです。

 

gerge0725.hatenablog.com

「自分らしさ」は「オンリーワン」でなくてよい

大発見のある物語を書くことのできる小説家の存在が、ずっとコンプレックスでした。

でも、それをある先輩作家に相談したら「大発見もなしに、細々としたズレみたいなもので1冊の物語を書けるのは長所なんじゃないの。そこを伸ばせばいいんじゃないの」とアドバイスをいただいて、開き直った部分はあります。

「物語で大事なのは、物じゃなくて語りの方だ」

最近読んだ藤田祥平さんの小説にこんな言葉が出てきて、すごく印象的でした。自分はスペシャルな経験を持っていないのだから、なんてことない「物」を「語り」で成立させていこう、そういう気持ちになりました。

 https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/ryo-asai

「自分らしさ」というとどうしても「オンリーワン」みたいなものでないといけないと考えてしまうんですね。でも、「オンリーワン」なんてほとんど存在しません。特に私のような凡人には。そうすると人がやらないこと、やれないことをやっていくことになります。それが結果として「自分らしさ」になっていく。それはもともとあった「自分らしさ」というものではありません。社会との関係で作られる「自分らしさ」です。

私たちは「自分らしさ」とは何かと自分自身に問いかけます。しかし、その答えは社会との関わりの中でしか見出せません。朝井さんはそれを「つながりの糸」と表現しています。社会とどのようにつながっていけばよいか。途中犯罪に手を染めた人たちの例も出てきますが、彼らも社会との「つながりの糸」を求めていたとしています。

「自分らしさ」の答えは自分自身にはない

 たぶん、自分の意味とか仕事の価値とかって、根詰めて考えちゃいけないんですよね。

私は、バレーボールが好きなので、都内の体育館によく行くのですが、その時は「ボールを落とさない」ということだけを考えるので、精神的にとても健康だなと感じます。

子どもを産んだ友人は、何よりも自分について考える時間が減ったと話していて、それによって助けられている部分も確かにあると言っていました。自分が面倒を見ないと死んでしまう生き物がいるという環境は、自分についての考え事を否応なく減らしてくれるんですよね。

どこにも物差しがなくて自分で自分を見つけなければならないからこそ、何も考えなくてもいい時間……がありがたいんだと思います。

 https://www.buzzfeed.com/jp/yuikashima/ryo-asai

結局のところ、「自分らしさ」の答えが自分の中にないのであれば、それは考えるだけ無駄な作業です。常に社会との関わりの中で「自分らしさ」が見つかっていくのであれば、大切なのは考えることよりもただ動くことなのかもしれません。

自分一人で考えていると自分は人に必要とされていないと思ってしまいます。いつまでも「自分らしさ」が見つからない自分は社会に必要ないのだと。しかし、社会に出ると自分を必要としてくれる人がいるのが分かります。

大学の先生が授業で「あなたは一人だと思っているかもしれませんけど、あなたが死んだら悲しむ人はたくさんいるんですよ」と話してくれたことを覚えています。ひとりの教え子が自殺した次の講義の時でした。

その自殺した教え子の方は私も知っている方だったので、私も悲しい気持ちになったのを覚えています。人一人の死はその人が考えている以上に周りに大きな影響を与えるものなのです。自殺した彼が思っている以上に周りの人間は彼のことを認識していましたし、彼は一人ではありませんでした。周りの人が気にかけてくれるのも「自分らしさ」です。そうした周りや社会との関係性の中で「自分らしさ」を築いていければよいのではないか。むしろその程度のものではないかとも思うのです。

まずは一歩踏み出そう

「自分らしさ」が見つからないというのはとても苦しいものです。私自身も周囲から言われるだけで、私自身が「自分らしさ」を認識しているわけではありません。それでも周りから必要とされ、「自分らしさ」を社会との関係の中で定義できさえすれば、精神的には楽です。

一人で考えていると、結論は出ません。というか「自分らしさ」はないという結論に向かっていき、かなり苦しくなります。「自分らしさ」なんて無くてもいいんです。自分ができることをやっていきましょう。そうすれば周りがあなたの「自分らしさ」を決めてくれますよ。それまでいろいろなことに挑戦してみてください。社会はあなたのことを必要としています。

 

朝井リョウさんの作品です。ご興味のある方はこちらから。

死にがいを求めて生きているの

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時をかけるゆとり (文春文庫)

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